ふるさと納税の教科書

制度の仕組みと、返礼品の選び方を出典つきで

ふるさと納税の確定申告、「電子証明書」でどこまで書類が減るのか — 国税庁の対応リストで確認する

2026-09-01NEW約5分で読めます#ふるさと納税#確定申告#電子証明書#マイナポータル連携

ふるさと納税の確定申告に使う「寄附金控除に関する証明書」は、電子データでの発行に対応するポータルサイトが増えています。国税庁の公表資料をもとに、電子証明書とマイナポータル連携の対応状況を整理します。

結論
令和3年分の確定申告から、国税庁が指定した「特定事業者」が発行する年間分の電子証明書(XML形式)をe-Taxに添付すれば、寄付ごとの受領書を集めなくても寄附金控除の申告ができます。2026年6月時点で20社を超えるふるさと納税ポータルが対応し、一部はマイナポータル連携で自動入力にも対応しています。ただし、ワンストップ特例だけで完結する人には関係のない制度です。

そもそも何が変わったのか

ふるさと納税で寄附金控除を受けるには、本来は寄付した自治体ごとの「受領書」を確定申告書に添付する必要がありました。寄付先が10自治体あれば10枚集める必要があり、紛失や添付漏れが起きがちでした。

国税庁は令和3年分の確定申告から、寄付先の地方団体に代わって、ポータルサイトを運営する「特定事業者」が年間の寄付額をまとめて1枚にした「寄附金控除に関する証明書」を発行できる仕組みを設けました。

申告年分地方団体が発行する受領書特定事業者の証明書
令和2年分以前使える(郵送のみ)使えない
令和3年分以後使える(郵送・電子データ)使える(郵送・電子データ)
ポイント
特定事業者の証明書は、寄付ごとではなく「その年に仲介した寄付の合計額」を1枚にまとめたもの。10自治体に寄付しても証明書は1枚で済みます。

電子証明書を発行できるのはどのポータルサイトか

証明書を電子データ(XML形式)で発行できるのは、国税庁長官が「特定事業者」として個別に指定した事業者に限られます。指定を受けるには、寄付の受け皿となる地方団体と契約したうえで、寄付の事実を適正かつ確実に管理できると認められる必要があります。

2026年6月16日時点の国税庁の一覧には、主要なポータルサイトを含め20社を超える事業者が並んでいます。そのうち、マイナポータル連携まで対応しているのは一部です。

ポータルサイト(一部抜粋)電子証明書(XML)マイナポータル連携
ふるさとチョイス対応対応
さとふる対応対応
楽天ふるさと納税対応対応
ふるなび対応対応
セゾンのふるさと納税対応対応
au PAY ふるさと納税対応対応
JALふるさと納税対応対応
三越伊勢丹ふるさと納税対応対応
JRE MALLふるさと納税対応対応
注意
この表は一部の抜粋です。全事業者の最新一覧は、出典に挙げた国税庁のページで確認してください。対応状況は「随時更新」とされ、増減があります。

証明書の入手方法は、発行主体の対応状況によって3パターンに分かれます。

証明書の入手方法は発行主体の対応状況によって3通りに分かれる 未対応の発行主体 紙の受領書を保管 確定申告書に手入力 電子証明書のみ対応 XMLをダウンロード e-Taxに添付 マイナポータル連携 も対応 連携アプリ経由で取得 自動入力
発行主体の対応状況で変わる証明書の入手方法

電子証明書を使うと確定申告はどう変わるのか

電子証明書には主に2つの使い道があります。1つは、証明書データそのものをe-Taxで確定申告書に添付して送信する方法。もう1つは、マイナポータル連携で取得して、確定申告書等作成コーナーに自動反映させる方法です。データを取得できない場合は、これまでどおり郵送された紙の証明書を添付します。

寄付から確定申告の送信完了までの流れ 寄付する 証明書データを取得 e-Taxで送信 (自動入力・自動計算)
電子証明書を使った確定申告の流れ

いずれの方法でも、控除額の計算は確定申告書等作成コーナーが自動で行います。寄付先ごとに金額を手入力する手間がなくなる点が最大のメリットです。

マイナポータル連携で自動入力するには何が必要か

マイナポータル連携を使うには、事前準備の手続きが必要です。マイナンバーカードとマイナポータルのアプリを使って、証明書の発行主体との連携をあらかじめ済ませておきます。

注意
発行主体によっては、連携手続きを終えてから証明書データが実際に取得できるようになるまで数日かかることがあります。確定申告の期限直前ではなく、早めに準備しておく必要があります。

事前準備は、取得する証明書の種類が増えない限り、初めて利用する年の1回で済みます。ただし連携できるのは「発行主体がマイナポータル連携に対応している場合」に限られ、電子証明書を発行できる事業者のすべてが連携まで対応しているわけではない点に注意してください。

ワンストップ特例を使っている人にも関係あるのか

ワンストップ特例だけで手続きが完結する人は、そもそも確定申告をしないため、この電子証明書の仕組みとは無関係です。

ただし、医療費控除や住宅ローン控除(初年度)など、別の理由で確定申告が必要になった場合、ワンストップ特例の申請は無効になります。その年に寄付したすべての寄付先について、あらためて寄附金控除として申告し直さなければなりません。このとき、電子証明書に対応したポータルサイト経由の寄付であれば、証明書をまとめて1枚取得するだけで済み、寄付先ごとに受領書を探し直さずに済みます。

豆知識
ワンストップ特例と確定申告のどちらを選ぶべきかは、寄付先の数や確定申告の要否によって変わります。判断基準は別記事で整理しています。

出典


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