ふるさと納税の教科書

制度の仕組みと、返礼品の選び方を出典つきで

ふるさと納税、2025年度の受入額は過去最高の1兆3,314億円 — ポイント禁止後の実態を総務省調査で読む

2026-08-17NEW約5分で読めます#ふるさと納税#総務省#現況調査

総務省が2026年7月31日に公表した最新の現況調査から、ふるさと納税の受入額・住民税控除額・ポイント禁止後のポータルサイト利用状況を、一次資料の数字で確認します。

結論
2025年度のふるさと納税受入額は約1兆3,314億円で、過去最高を更新しました。2025年10月からポータルサイトのポイント付与は禁止されましたが、ポータルサイト経由の寄付割合はむしろ97.2%に上昇しています。

何が公表されたのか

総務省は2026年7月31日、「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)」を公表しました。

この調査は毎年夏に行われ、次の2つの実績をまとめています。

「決算見込み」なのは、年度末が近い時点でまだ最終決算が締まっていない自治体があるためです。実際の確定値は、これより後に公表される市町村税課税状況等の調で更新されます。

いずれも自治体からの報告を集計した全国計の数字であり、個人の控除額を示すものではありません。

注意
この記事の金額はすべて全国の合計です。ご自身の控除額の目安は、お住まいの自治体や税務署にご確認ください。

受入額はどこまで伸びたのか

2025年度の受入額は約1兆3,314.3億円、受入件数は約5,963.0万件でした。

前年度(2024年度)の1兆2,727.5億円・5,878.7万件と比べると、金額で約4.6%、件数で約1.4%の増加です。

制度が始まった2008年度の受入額は81.4億円でした。18年で160倍以上に拡大したことになります。ここ数年は毎年1,000億円規模で増え続けており、伸びの勢いが落ちていないことがうかがえます。

年度受入額(億円)受入件数(万件)
2023年度(令和5)11,175.05,184.3
2024年度(令和6)12,727.55,878.7
2025年度(令和7)13,314.35,963.0

ポイント禁止後、寄付の流れはどう変わったのか

総務省は2024年6月28日付の告示改正で、寄付に伴ってポイント等を付与するポータルサイトを通じた募集を禁止しました。この規定(告示第2条第1号ロ⑵)は2025年10月から適用されています。楽天ふるさとなど大手ポータルサイトが独自ポイントを付与できなくなった、あの規制です。

ポイント
ポイント付与が禁止されたのは「地方団体が追加費用を負担してポータルサイトのポイントに充てている場合」です。決済に伴う通常のクレジットカードポイントは対象外とされています。

規制の影響で「ポータルサイト離れ」が起きたかというと、現況調査の数字はむしろ逆を示しています。

2025年度にポータルサイトを経由した受入額は1兆2,947億円で、受入額全体に占める割合は97.2%でした。前年度の94.5%から2.7ポイント上昇しています。

ポータルサイト運営事業者への支払総額も1,490億円で、前年度の1,379億円から111億円増えました。受入額に対する支払総額の割合は18.8%です。

豆知識
ポイントがなくなっても、寄付先の比較や決済のしやすさから、寄付者はポータルサイトを使い続けているとみられます。総務省の資料はその理由までは分析していません。

受入額に対する支払総額の割合(18.8%)から、返礼品の調達費・送付費にあたる分を除いた割合は11.5%で、前年度と同じ水準でした。ポイント原資がなくなった分がそのまま自治体側の負担軽減につながったのか、他の費用に振り替わったのかは、この資料だけでは判断できません。

住民税の控除とワンストップ特例はどうなっているか

2025年中の寄付に対する2026年度課税の住民税控除額は約9,524.4億円、控除を受けた人は約1,151.4万人でした。

前年(2025年度課税分)の8,740.8億円・1,081.4万人と比べ、控除額で約9.0%、人数で約6.5%増えています。

このうち、確定申告をせずに済む「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用したのは約614.2万人で、控除適用者全体の53.3%でした。前年度も52.7%とほぼ同じ水準で、利用者の半数以上がワンストップ特例を選んでいることがわかります。

課税年度住民税控除額(億円)控除適用者数(万人)うちワンストップ特例(万人)
2025年度課税8,740.81,081.4569.9
2026年度課税9,524.41,151.4614.2

寄付金の使いみちはどうなっているか

受入額のうち、返礼品や事務にかかった費用の合計は6,382億円で、受入額の47.9%でした。地方税法で募集経費は受入額の5割以下と定められており、この上限は守られています。

内訳は次のとおりです。

費目金額(億円)受入額に占める割合
返礼品の調達費3,52826.5%
返礼品の送付費7565.7%
広報費930.7%
決済手数料1961.5%
事務費等1,80913.6%

残りの6,932億円(52.1%)は、返礼品や事務にあてられず自治体の財源として残った分です。寄付を受けた自治体が、地域の事業に自由に使える金額ということになります。

注意
「返礼品は寄付額の3割以下」という基準は、返礼品そのものの調達原価にかかる別の上限で、ここでの募集経費5割の基準とは別のルールです。混同しないよう注意してください。

出典


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