
ふるさと納税のポイント付与、2025年10月から禁止されたのは何か
ポータルサイトのポイント付与が禁止されて何が変わったのか、総務省が発出したQ&Aにもとづいて、禁止される場合と対象外になる場合を整理します。
ただしクレジットカードなどの「他の買い物でも同じように付くポイント」は、今も引き続き対象外です。
「ポイント還元○%」を目当てにふるさと納税のポータルサイトを選んでいた人は多いはずです。ですが
2025年10月から、この仕組みが大きく変わりました。何が禁止され、何がまだ使えるのか。総務省が
自治体向けに発出したQ&Aの内容にもとづいて整理します。
(2026年8月時点で確認した制度内容です。)
そもそも何が禁止されたのか
要点:禁止されたのは「寄附に伴って寄附者に経済的利益を提供する者」を通じた募集です。
総務省が2024年6月28日付けで発出した通知「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&A」
(総税市第65号)によると、ふるさと納税の指定基準(募集適正基準)に、次の行為を禁止行為として
追加する告示改正が行われました。
提供する者(第三者を通じて提供する者を含む)」を通じた募集です。この規定は令和7年(2025年)
10月以降に適用されるとQ&Aに明記されています。
Q&Aの問1の3では、この「経済的利益」について次のように説明されています。ポータルサイト運営
事業者等により、直接・間接を問わず寄附者に付与されるポイント等(「マイル」「コイン」等その
名称を問わない)は、広く「金銭その他の経済的利益」に該当するとされています。つまり、サイトが
独自に上乗せしていた「寄附額の○%分のポイント」は、名称にかかわらず対象になります。
なぜ規制することになったのか
要点:第三者に謝礼を渡して寄附者を紹介させるような募集は、制度の趣旨に反すると総務省は説明しています。
同じQ&Aの問1では、規制全体の趣旨がこう説明されています。ふるさと納税は、寄附者が自らの意思で
ふるさとやお世話になった地方団体に寄附を行う制度であり、第三者に謝金を支払うこと等によって
その第三者に寄附者の勧誘・紹介をさせるような行為は、この趣旨に反するため禁止するとされています。
ポイント付与によって「還元率の高いサイトを選んで寄附する」という動機づけが強まることも、同じ
考え方の延長で問題視された形です。
なお、ふるさと納税の事務の一部をポータルサイト事業者に委託するために地方団体が支払う委託料
そのものは、この「経済的利益の供与」には当たらないともQ&Aは補足しています。禁止されているのは
あくまで寄附者本人に渡る利益です。
どんなポイントなら今も使えるのか
要点:「ふるさと納税だから追加でもらえるポイント」はアウト、「他の買い物でも同じように付く
ポイント」はセーフというのが線引きです。
問1の3の回答では、クレジットカード会社やキャッシュレス決済事業者が付与する決済ポイントに
ついて、通常の商取引でも同じように付与されるものであれば「通常の商取引に係る決済に伴って
提供されるものに相当するもの」として対象外になるとされています。一方で、同じ決済手段でも
ふるさと納税の決済分にだけ追加で上乗せされるポイントは、対象外にはならないと明記されています。
買い物と同じ条件で付くポイントは対象外、寄附に限って上乗せされるポイントは禁止対象です。
具体例をQ&Aから抜き出すと、次のように整理できます。
| 経済的利益の種類 | 具体例 | 判定 |
|---|---|---|
| ポータルサイトが寄附に付随して独自に付与するポイント・マイル・コイン等 | サイト経由の寄附で付く「還元○%」ポイント | 禁止対象 |
| ポイントサイト等を経由してポータルサイトに遷移し、その寄附に伴い付与されるポイント | 経由サイト側が付与するポイント | 禁止対象 |
| クレジットカード・キャッシュレス決済事業者が、ふるさと納税の決済分にだけ追加で付与するポイント | 「ふるさと納税限定〇倍」等のキャンペーンポイント | 禁止対象 |
| クレジットカードの通常ポイント(他の買い物でも同率で付与されるもの) | 通常のカード利用で貯まる基本ポイント | 対象外(引き続き可) |
ポイントが禁止でも、返礼品への影響はあるのか
要点:地方団体が費用を負担してポイント等を提供している場合は、返礼品と同じ扱いを受けます。
Q&Aの問12では、地方団体が契約するポータルサイト運営事業者が寄附者に提供するポイント等に
ついて、地方団体がその費用を追加負担しているのであれば、当該団体が提供する「返礼品等」に
含まれると説明しています。返礼品等に含まれる以上、調達費用が寄附額の3割を超えてはならない
という別の基準(返礼割合基準)の対象にもなります。
ないものとして「返礼品等」には当たらないとQ&Aは説明しています。ポイントとは扱いが異なります。
違反した場合、自治体はどうなるのか
要点:基準に適合しなくなったと認められれば、指定の取消し対象になり得ます。
Q&Aの問32によれば、指定対象期間またはその前1年以内に募集適正基準または法定返礼品基準の
いずれかに適合しなくなったと認められる場合、事務的なミスや受領額が僅少であるなどの特段の
事情がない限り、総務大臣による指定の取消し対象になるとされています。指定を取り消された
地方団体への寄附は、ふるさと納税の税制優遇の対象外になります。読者側から見れば、寄附先が
今も総務省の指定を受けている団体かどうかは、ポータルサイト上の表示で確認できます。
これから寄附先やポータルサイトを選ぶときは、「還元率」ではなく返礼品そのものの内容や、
控除上限額の範囲内かどうかで比較するのが、現在の制度に合った選び方といえます。
出典
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