ふるさと納税の教科書

制度の仕組みと、返礼品の選び方を出典つきで

ふるさと納税のポイント付与、2025年10月から禁止されたのは何か

2026-08-19NEW約5分で読めます#ふるさと納税#総務省#制度改正

ポータルサイトのポイント付与が禁止されて何が変わったのか、総務省が発出したQ&Aにもとづいて、禁止される場合と対象外になる場合を整理します。

結論
2025年10月から、ポータルサイトが寄附に付随して独自に付与するポイントは禁止されました。
ただしクレジットカードなどの「他の買い物でも同じように付くポイント」は、今も引き続き対象外です。

「ポイント還元○%」を目当てにふるさと納税のポータルサイトを選んでいた人は多いはずです。ですが
2025年10月から、この仕組みが大きく変わりました。何が禁止され、何がまだ使えるのか。総務省が
自治体向けに発出したQ&Aの内容にもとづいて整理します。

(2026年8月時点で確認した制度内容です。)

そもそも何が禁止されたのか

要点:禁止されたのは「寄附に伴って寄附者に経済的利益を提供する者」を通じた募集です。

総務省が2024年6月28日付けで発出した通知「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&A」
(総税市第65号)によると、ふるさと納税の指定基準(募集適正基準)に、次の行為を禁止行為として
追加する告示改正が行われました。

注意
禁止の対象は「第一号寄附金の寄附に伴って寄附者に対し金銭その他の経済的利益(中略)を
提供する者(第三者を通じて提供する者を含む)」を通じた募集です。この規定は令和7年(2025年)
10月以降に適用されるとQ&Aに明記されています。

Q&Aの問1の3では、この「経済的利益」について次のように説明されています。ポータルサイト運営
事業者等により、直接・間接を問わず寄附者に付与されるポイント等(「マイル」「コイン」等その
名称を問わない)は、広く「金銭その他の経済的利益」に該当するとされています。つまり、サイトが
独自に上乗せしていた「寄附額の○%分のポイント」は、名称にかかわらず対象になります。

なぜ規制することになったのか

要点:第三者に謝礼を渡して寄附者を紹介させるような募集は、制度の趣旨に反すると総務省は説明しています。

同じQ&Aの問1では、規制全体の趣旨がこう説明されています。ふるさと納税は、寄附者が自らの意思で
ふるさとやお世話になった地方団体に寄附を行う制度であり、第三者に謝金を支払うこと等によって
その第三者に寄附者の勧誘・紹介をさせるような行為は、この趣旨に反するため禁止するとされています。
ポイント付与によって「還元率の高いサイトを選んで寄附する」という動機づけが強まることも、同じ
考え方の延長で問題視された形です。

なお、ふるさと納税の事務の一部をポータルサイト事業者に委託するために地方団体が支払う委託料
そのものは、この「経済的利益の供与」には当たらないともQ&Aは補足しています。禁止されているのは
あくまで寄附者本人に渡る利益です。

どんなポイントなら今も使えるのか

要点:「ふるさと納税だから追加でもらえるポイント」はアウト、「他の買い物でも同じように付く
ポイント」はセーフというのが線引きです。

問1の3の回答では、クレジットカード会社やキャッシュレス決済事業者が付与する決済ポイントに
ついて、通常の商取引でも同じように付与されるものであれば「通常の商取引に係る決済に伴って
提供されるものに相当するもの」として対象外になるとされています。一方で、同じ決済手段でも
ふるさと納税の決済分にだけ追加で上乗せされるポイントは、対象外にはならないと明記されています。

ポイント
判断のポイントは「ふるさと納税の寄附だから特別に付くのか」どうかです。日常の
買い物と同じ条件で付くポイントは対象外、寄附に限って上乗せされるポイントは禁止対象です。

具体例をQ&Aから抜き出すと、次のように整理できます。

経済的利益の種類具体例判定
ポータルサイトが寄附に付随して独自に付与するポイント・マイル・コイン等サイト経由の寄附で付く「還元○%」ポイント禁止対象
ポイントサイト等を経由してポータルサイトに遷移し、その寄附に伴い付与されるポイント経由サイト側が付与するポイント禁止対象
クレジットカード・キャッシュレス決済事業者が、ふるさと納税の決済分にだけ追加で付与するポイント「ふるさと納税限定〇倍」等のキャンペーンポイント禁止対象
クレジットカードの通常ポイント(他の買い物でも同率で付与されるもの)通常のカード利用で貯まる基本ポイント対象外(引き続き可)

ポイントが禁止でも、返礼品への影響はあるのか

要点:地方団体が費用を負担してポイント等を提供している場合は、返礼品と同じ扱いを受けます。

Q&Aの問12では、地方団体が契約するポータルサイト運営事業者が寄附者に提供するポイント等に
ついて、地方団体がその費用を追加負担しているのであれば、当該団体が提供する「返礼品等」に
含まれると説明しています。返礼品等に含まれる以上、調達費用が寄附額の3割を超えてはならない
という別の基準(返礼割合基準)の対象にもなります。

豆知識
寄附者への感謝状やお礼状、広く配布される広報誌や観光パンフレットは、経済的価値が
ないものとして「返礼品等」には当たらないとQ&Aは説明しています。ポイントとは扱いが異なります。

違反した場合、自治体はどうなるのか

要点:基準に適合しなくなったと認められれば、指定の取消し対象になり得ます。

Q&Aの問32によれば、指定対象期間またはその前1年以内に募集適正基準または法定返礼品基準の
いずれかに適合しなくなったと認められる場合、事務的なミスや受領額が僅少であるなどの特段の
事情がない限り、総務大臣による指定の取消し対象になるとされています。指定を取り消された
地方団体への寄附は、ふるさと納税の税制優遇の対象外になります。読者側から見れば、寄附先が
今も総務省の指定を受けている団体かどうかは、ポータルサイト上の表示で確認できます。

これから寄附先やポータルサイトを選ぶときは、「還元率」ではなく返礼品そのものの内容や、
控除上限額の範囲内かどうかで比較するのが、現在の制度に合った選び方といえます。

出典


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